▲TOPへ戻る

「起立性低血圧」、「起立性調節障害」について

「立ちくらみ」、「失神」、「気分不良・全身倦怠感」、「朝の起床困難」、「午前中に調子が悪く午後に回復する」、「頭痛」、「腹痛」、「動悸」、「食欲不振」、「車酔い」、「顔色が悪い」といった症状のうち3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ、「起立性低血圧」、「起立性調節障害」が疑われます。
起立性低血圧や起立性調節障害は、自律神経(交感神経や副交感神経)の機能が低下したために、循環の調節(特に上半身、脳への血流低下)が障害されて起こる障害であり、日常生活が損なわれ社会生活に支障が生ずることもあります。

このような場合には、まず、鉄欠乏性貧血、心臓の病気、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺などの内分泌疾患等の病気ではないかを診断する必要があります。
病歴や既往歴の詳細な問診や、必要があれば検査を行います。
その結果、これらの病気が明らかにならない場合には、起立性低血圧、起立性調節障害である可能性が高くなります。

起立性低血圧や起立性調節障害の治療としては、薬剤を使わない非薬物療法と、薬を使う薬物療法があります。
非薬物療法としては、運動療法、水分摂取、就床時刻を守る、などがありますが、ストレスの回避が重要です。
坐位や臥位から起立するときには、頭を下げてゆっくり起立する。静止状態からの起立は1~2分以上は続けない。起立中は足を交差し、下半身への血液移動を防ぐ。
水分摂取は1日1.5リットル~2リットルと十分に行い、塩分を十分にとるようにする。
適宜歩行などの運動を行う。
眠くなくても床に就くのが遅くならないようにする。
などが必要です。

薬物療法としては、血管に作用して血圧の低下を防ぎ、上半身や脳への血流を確保する薬剤を使用します。
薬物療法を行う場合でも、上記の非薬物療法を並行して行うことが重要です。